従来のスクライブカットにはこんな不便がありました。
従来は、丸いシャンク(軸)の頂点に刃先が形成されたダイヤモンドスクライブツールを使用するときには、「ポイント出し」といわれる、先端刃先(カッティングポイント)の見出しが困難でした。そのため、お客様が目視で時間をかけてセットをしたり、または別のワークを用いて一度テストスクライブを行い、そのスクライブラインを見てから対象ワークをセットするなどの時間と手間をかけることが常でした。これらの作業は、作業者の熟練度に依存する部分が多く、品質レベルの不安定さも招いていました。当然、時間だけでなく、その他の消耗品コストがかかっていました。
簡単にしかも大量にこの「ポイント出し」を出来る、 治工具の開発を考えました。
このポイント出しを、装置本体で行うのではなく、簡単なしかも安価な治工具を開発することで解決を試みました。様々な種別や工法を探し、行き着いたのは刃物を保持するカートリッジを作り、そのカートリッジに収められたツールごと顕微鏡にセット。これを顕微鏡下でポイント出しを行うことにより、シンプルかつすばやく、しかも一度に大量の刃物のポイント出しを行えるようにしました。
現場からの不便の解決に喜ばれるだけでなく、コストダウンに繋がりました。
現場においては、チップ化に集中したい、そんな気持ちを汲んで開発したシステム。テクダイヤの、スクライブをもっと上手に活用して欲しい、そんな願いが通じました。また、従来のスクライブカットは、現場内においても、品質レベルの安定化が問題視されていました。このシステムにより、ポイント出しが一定化することで、品質レベルの安定に大きく貢献。
加えて、段取り工数といわれる、装置稼動のための準備時間が一気に短縮。コストダウンにもつながりました。
製造装置は生産をする装置であることが本質であり、アイドリンクタイムを減らし生産に集中することが要求されますが、外段取りが可能になることで、問題を解決しました。
お客様においては、タクトタイムの短縮を実現し、その効果も当初テクダイヤが予測した以上の数値を出しています。
また、スクライブカットのクオリティの平準化に寄与しています。
【クライアント業種】 LEDチップメーカー
【事業内容】 LEDチップ製造
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