新種のウェハにも対応可能な簡易で安価なウェハカット手段が必要でした。
予算制限ある企業の研究開発部門や大学研究室では、ウェハカット作業のために、高価な専用装置購入は困難でした。しかし、社外に依頼するには時間がかかります。開発競争にはこの時間さえも惜しまれるため、安価なウェハカット手段が必要でした。GaNやサファイアなど様々な新種のウェハに対応し、それでいてチップ端面のクラック抑制など精緻なカットも実現するカット手段が望まれていました。また、特殊な技術も不要な、簡便さも必要でした。
スクライブホルダが独立したペン型マニュアルスクライブ工具「ハンドスクライバー」を開発。
安価で時間のかからないマニュアル工具の開発を進めるにあたり、まず、お客様への徹底的なヒアリングを行いました。結果、マニュアル工具では
①スクライブ位置が視認できない
②ウェハ固定が困難
③スクライブに最適な刃先角度の設定・保持が困難
④スクライブ時の荷重コントロールが困難
などの問題があることをつきとめました。そこでこれらの問題を解決するため、新しいマニュアルスクライブ工具「ハンドスクライバー」を開発しました。「ハンドスクライバー」は、ペン式のホルダにスクライブツールをセットし、専用プレートと組み合わせて使用するマニュアル工具です。4ステップでウェハカットが完了し、誰でも簡単に使用することができます。
専用装置に必要なノウハウを、工具に持たせるアイデア。
「ハンドスクライバー」に次の機能を持たせたことにより、従来のマニュアル工具の問題を解決し、高精度なウェハカットの実現を可能にしました。
①スクライブホルダを独立
スクライブホルダが独立したデザインにより、スクライブ位置の視認が可能になりました。
②サンドイッチ方式を採用
専用のスクライビングプレートの間にサンドイッチのようにウェハを挟むことで、カット時のウェハ固定問題を解決しました。
③スクライブツール保持法を改良
スクライブツールをセットするだけでカッティングポイントも自動で設定完了。最適な角度を保ちながらのカットが可能になりました。
④ペン先にバネを搭載
ペン先のバネにより、適切な荷重を一定に保ちながらのカットが可能になりました。
使用方法紹介ビデオ
豊富なスクライブツールと、精密機械加工技術や装置開発技術など、様々な部門を持つテクダイヤならではの商品が開発できたことが、お客様の支持を得る結果となりました。
スタートアップ企業にて高精度なウェハカットを実現中。その他にも、世界中の企業や大学などで採用されています。
【クライアント業種】 工業系大学・研究室(アメリカ), 技術研究開発所(スペイン), 半導体メーカー・品質保証部(日本)
03-5765-5400
営業時間 9:00-17:45