精巧な3Dプリンティング
医療分野への3Dプリンティング応用の一つが、医療用再建技術です。ドイツのBellaSeno GmbH社(以下BellaSeno社)が開発を進める「3Dプリンティング・インプラント(Senella)」は、3Dプリンティングを用いた世界初の医療用再建技術です。この技術は、3Dプリンティングで製作した吸収素材のインプラントを、乳がん手術により切除した乳房や人工骨として失われた部位に入れ、患者自身の脂肪組織を注⼊することで組織形成する技術です。技術の実現には複雑かつ微細な3Dプリンティングが要求されますが、Senellaに使用されるポリマー材は粘土が低く、高精度な印刷が難しいことが課題でした。
▼乳房再建イメージ
出典:BellaSeno GmbH社
医療向け3Dプリンティング用ディスペンサーノズルの開発
そこでテクダイヤは、医療用にこだわり抜いた3Dプリンティング用ディスペンサーノズルを開発。ノズル内部を段差の無いテーパー形状とし、内面研磨を施すことで材料の流動性を向上させることに成功。またノズルの先端も研磨することで「液垂れ」や「糸引き」を抑え、複雑な形状でも安定した塗布を実現することができました。
半導体産業で培った高精度なクラフトマンシップ
テクダイヤは半導体製造業界の他、バイオプリンティングやFDM印刷などの3Dプリンティング業界にも、さまざまなノズルを提供しています。半導体産業では常に高精度なものづくりが求められますが、培ったノウハウが医療業界への応用につながりました。
Senellaによる乳房再建技術に貢献
BellaSeno社とパートナーシップを提携し、ディスペンサーノズルを提供。Senellaによる医療用再建技術は、認可に向けてオーストラリアで臨床試験を開始しています。テクダイヤはこれからも独自の加工技術で、さまざまな産業界のお客様の要望にお応えし、ものづくりで社会に貢献していきます。
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